【 概 要 】−境内は古くから油が湧き出た事から「あぶらやま」と呼ばれ信仰の対象になっていました。飛鳥時代に名僧行基が霊地である当地に訪れ、一宇を設けると自ら一刀三礼で制作した薬師如来像を本尊として安置し、油山寺(静岡県袋井市)を創建しました。奈良時代に入ると孝謙天皇が眼病を患い、油山寺の薬師如来像に平癒の祈願を行い、境内に流れ落ちる「瑠璃の滝」の清水で眼を洗うと次第に快方に向かったそうです。その話が世間に広まると、油山寺の薬師如来は眼の病に効くとして信仰の対象となりました。その後は源頼朝(鎌倉幕府初代将軍、家臣に命じて三重塔造営。)や今川義元(駿河国及び遠江国の守護大名:本堂の厨子寄進、内部に本尊の薬師如来安置)、久野宗成(久野城主:再興、三重塔の再建、三重塔は国指定重要文化財)、徳川将軍家(8代将軍徳川吉宗が病気平癒の祈願を行い、平癒後に本堂を寄進、本堂は静岡県指定文化財)、横須賀藩西尾氏(横須賀城の書院を拝領の上移築、書院は静岡県指定文化財)、掛川藩太田氏(掛川城の城門を拝領の上移築、山門は国指定重要文化財)などから帰依を受け篤い庇護を受けました。油山寺は法多山尊永寺(静岡県袋井市)、萬松山可睡斎(静岡県袋井市久能)と共に遠州三山に数えられています。
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